或る日記(仮)

業務外日誌。

深夜の日記

深夜3時をまわってから、雨の中、散歩にでかけていた。コンビニでタヴィンチという雑誌を立ち読みした。表紙に中村文則のインタビューが載っているとあったので興味を惹かれたのである。
中村文則は「何もかもが憂鬱な夜に」という小説に、死生観が変わるような感銘を受けてから、何作か読んだ。もっとも、「何もかもが〜」に感動したこと自体は覚えているし、それは決して小さなものではなかったのだけれど、俺は読んだ本の内容をすぐ忘れてしまうタチなので具体的なことはあまり思い出せない。読んだそばから忘れていくから、本を読んでいると、これは俺の中にちゃんと蓄積されているのか、と不安になる。すくなくとも、心動かされた事実だけはきっと残っているのだと思いたいものである。
インタビュー自体は、まあいわゆる新作の宣伝であった。人の生きる上でのよりどころとカルト宗教、といった主題のようで、どうやら俺好みっぽい。司法試験が終わったら読もうと思う。

家に帰り机の上に開いていた六法をみると、また現実逃避をしてしまったことに罪悪感をおぼえた。この時期に至っても、なかなか法律だけに向き合うことができない。